心残り
いままで、いったいどれだけたくさんの心をあとに残してきただろう。人にも残してきたし、物にも残してきた。でも、残してきた心のことはほとんど忘れてしまっている。ほんのたまに、痣になった足首の火傷の跡を見て、その時の痛みを思い出すのと同じくらいほんのたまに、思い出すこともあるけど。
「心」というものは自分の一部だけど、形はない。形がないから無限だ。無限だから残してきた心のこともあまり気にならないのかもしれない。でも、残された心は消えてなくなるわけではないのだと思う。その所有者にすら忘れ去られても、きっと生き続けているのだと思う。
だから、きっと、私の心は一生忘れないと思うのです。あなたのことを。