ベネズエラは南米大陸の北端に位置し、北はカリブ海、東は大西洋に面しており、国土は日本の約2.5倍です。そのベネズエラの奥地、首都カラカスから空路約2時間のところに、ギアナ高地(マシーソ・グアヤーネス)はあります。ベネズエラ、ブラジル、ガイアナの3国にまたがり、その総面積は日本の約1.5倍です。1912年にシャーロック・ホームズで有名な作家コナン・ドイルのSF冒険小説、『The
Lost World(失われた世界)』で紹介されたことがきっかけとなり人々に知られる存在となりました。また、この小説はあの、映画『ジュラシック・パーク』のヒントとなった作品でもあります。
ギアナ高地には、テプイと呼ばれるテーブル状の山々が100以上あります。英語ではテーブル・マウンテンと呼ばれますが、そのテーブルの上部から足元までの落差は平均約1,000mもあり、下界からの侵入を遮断されたまま大地に浮かぶ「孤島」となった「テーブル」の上には、下界とは全く別のかたちで独自の進化を遂げた植物が生息しており、その約75%はギアナ高地でしか見られない固有種です。ギアナ高地は、冒険家のみならず、多くの植物学者をも魅了しています。
ギアナ高地観光の拠点となるカナイマの小さな空港に降り立つとそこは既にジャングルで、うっそうと茂る熱帯樹林の中を5分ほど歩くとカナイマ湖の美しい景観が見えてきます。国立公園内のホテルはこの湖のほとりにあり、湖の反対側にはテプイが聳え立っていて、とても壮大な風景を楽しめます。
落差979メートルの世界最長の滝、エンジェル・フォールには舟で川を上って行くことになります。早朝、まだ夜が明ける前にホテルを発ってカラオ川の船着場まで向かい、小舟でひたすらコーラのような色をしたカラオ川を上っていきます。川の両側にはまさしく映画『ジュラシック・パーク』を彷彿させるようなジャングルが広がっており、今にも恐竜の鳴き声が聞こえてきそうな雰囲気です。川の上流は、乾季は水量が少なくなっているために乗客皆で舟を押しながら進んでいき、午後になってやっと滝近くのラトン島に到達します。舟を降り、ジャングルの中を1時間半ほど歩いていくと滝が目の前に見えてきます。流れる水はあまりにも落差があるため、地表に届く前に霧に変わってしまうため滝壷がなく、滝の真下は絶え間なく霧が降り注ぐばかりです。
写真説明(カーソルを写真の上に置くと説明が現れます):
(1段目左から右へ)
上空から見たエンジェル・フォール、同左、同左、同左、熱帯雨林のジャングルとテプイ、アウヤンテプイ
(2段目左から右へ)
カナイマ湖とアチャの滝、カナイマ湖と遠くに見えるクサリテプイとクラバイナテプイ、虹が美しいアチャの滝、カナイマ湖と椰子の木、カナイマ湖のほとり、密林の中を流れるカラオ川
(3段目左から右へ)
空から見るテプイ、草原とテプイ、夕暮れのカラオ川、カナイマ国立公園観光用セスナ機、野生のオウム、カラフルなトカゲ(野生の生き物が沢山見られます。)
落差約1キロの世界最長の滝、エンジェル・フォール
『ロスト・ワールド』(1997年米)
〔『ジュラシック・パーク』(1993年米)の続編〕
監督:スティーブン・スピルバーグ