パロ空港からティンプーまでは、車で約1時間半程の車窓の美しい景色を眺めながらのドライブが楽しめます。空港を出てしばらく走ると水田はなくなり、荒涼とした谷間に出てきます。さらに、パロ・チュの渓流を眺めながらしばらく行くと、道路はパロ、ティンプー、そしてインドへ抜ける道の合流点、チョゾムが見えてきます。ここで、全ての車はブータン政府のチェックを受けることになります。チョゾムの川岸には、ネパール式、チベット式、ブータン式のチョルテン(仏塔)があり、ここが交通の要衝であることがわかります。
ティンプーは現在ブータンの「恒久首都」ですが、50年ほど前までは、夏はティンプー、冬はプナカと、季節によって移動するというユニークな方式をとっていました。ティンプーの街並みは、おそらくブータンでは一番の都会ですが、近代的建物は皆無と言ってよく、商店街はもちろん、銀行や交番、ホテルなどほとんどがブータン独特の色鮮やかな建物で、人々も警察官以外みな民族服である「ゴ」(男性用)や「キラ」(女性用)を着ています。
ブータン人はとてもよく日本人と似ていて、言葉さえ話さなければ日本人と見間違えるほどです。これだけ離れた二つの国民の類似をどう理解するのか、とても興味があるところです。「ブータン=原日本」論というのが語られておりますが、ブータンは古代日本に似た母系社会です。遺産は全て姉妹で分配され、家屋敷は長女が相続します。したがって、男性は女性に想いを寄せると、夜毎にその部屋に忍び込み、朝まで過ごすうちに家族に認められて結婚するという、なし崩し的な形が多いようです。また、ブータンの男性は非常に恋多き人たちで、他に想う女性があらわれると、前と同じ事を繰り返し、前の女性の家をでることにより離婚となります。大抵5,6回はこのなし崩し的結婚を繰り返すと、7回目の結婚をしたばかりのガイドさんは言っていました。
写真説明:
(1段目左から右へ)
チョゾムに建つ3様式のチョルテン、チョゾムでブータン政府のチェックを受ける車、カムニ(白い方帯)を着用している男性(ゾンに入るときはカムニ着用が義務付けられています。)、ドゥプトプ尼僧院の少女尼僧、交番と警官、ティンプーのメインストリート、メモリアル・チョルテンの上でお供えの花を作る僧侶
(2段目左から右へ)
サブジ・バザール、同左、ブータン産マツタケ、弓(ダ)を引く男性、弓が当たった時の勝利の踊り、ブータンのスナック(煎り米、ひしゃげ米、ひしゃげトウモロコシ)、トラックの下の顔(??)
ドゥプトプ尼僧院の吉祥紋の彫物(鹿は平和と協調のシンボル)